Jun 30, 2010
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[ロンドン 25日 ロイター] イングランド銀行(英中銀、BOE)は、中核的な経済予測モデルの刷新を年内に完了する見通しだが、抜本的な変更を期待する向きにとっては失望させられる内容となりそうだ。
「コンパス(Compass)」と呼ばれる新モデルは、BOEの予測のお粗末さへの対応ではなく、現行モデルを簡素化し、合理化する方策とされる。
BOEが新ソフトウエアの構築を決定したのは、金融危機が深刻化する前の2008年初頭。この時、インフレ率は中銀の目標をわずかに上回る水準で、BOEのインフレ抑制姿勢に対する信頼は保たれていた。
BOEは、一定期間、新旧モデルを並行運用する方針。旧モデルから新モデルへの移行を、金融政策委員が気づかないほど慎重に進めたいと考えている。
それは、BOEの予測プロセスに批判的な向きにとって、機会喪失だ。
BOEへの信認は、インフレ高進を予測できなかったことで大きく傷つき、英国のインフレ率は主要7カ国(G7)の中で最も高いという状況が続いている。
ヘンダーソンのチーフエコノミスト、サイモン・ワード氏は「BOEの視点が変わると考えられているかもしれないが、そうではない」とした上で、「これまでのモデルに不備があったと認めるわけでなく、テクニカルな更新。岩手の借り換えを読み解く無駄な支出だ」と指摘した。
<非難ごうごう>
BOEの予測能力を疑問視する声は、民間エコノミストなど外部からだけでなく、BOE内部からも出ている。
BOEの金融政策委員の中で最もタカ派とされるセンタンス委員は批判を強めている。
センタンス氏によれば、BOEのモデルは、2007年中盤からのポンド安がインフレに与える影響を反映できておらず、国内総生産(GDP)ギャップに過度に依存している。しかし英国のように規模が比較的小さく、開放された経済でGDPギャップを重視するのは不適切だという。商品(コモディティ)や原油価格を動かしているのは、国内の需要でなくグローバルな需要圧力だとも指摘する。
「英経済の生産余力という下振れ要因の方を重視し、外的インフレ圧力という上振れ要因を相対的に軽視する傾向が、深刻なインフレ予測の誤りにつながった」と述べている。
欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁も同様の見解を持っている。1月の消費者物価指数(CPI)が前年比4.0%に加速した英国に比べ、ユーロ圏のインフレ率は2%を若干上回る水準にとどまっているが、トリシェ総裁は、変動の激しいエネルギーなどを除外したコアインフレ率は将来の物価圧力を予想するのに適切ではないとの認識を示している。
BOEのモデルを批判しているのは、タカ派メンバーだけではない。ハト派とされるポーゼン委員でさえ、BOEの最新の成長・インフレ率予測は楽観的過ぎると指摘している。
<鍵を握る金融政策委員の見解>
BOEは、BOEに対する信認はひとえに9人の金融政策委員の判断にあり、モデルではないと主張してはいるが、四半期予測プロセスの結果に重きを置いている。
2009年3月以来、重要な政策決定のタイミングはすべて、四半期予測の更新と合致している。それ以前でも、金利が変更される可能性は新たな予測が発表される月の方がはるかに高かった。
BOEの予測モデルを模したモデルを活用しているFathom Financial Consulting groupのダニー・ガベイ氏は、新モデルへの移行はBOEへの信認を回復させることはないとみており、求められているのは根本的な考え方の変化だと指摘する。
ガベイ氏も、センタンス委員と同様、2007年中盤から2009年の間にポンド相場が25%下落した影響を過小評価していることを最も明らかな誤りだと考えている。
「BOEは、他の多くの要因がインフレを押し下げていた1990年代初頭の経験に依存し過ぎている」と言うガベイ氏は、BOEの予測ミスは金融政策の誤りにつながったとは思わないものの、予測モデルの限界、状況が変化した局面でより緻密に判断する必要性を認識する必要があると考えている。月曜日の不動産担保ローンの4つのヒント
同氏は「BOEに対する信認を傷つけたのは、予想能力の欠如だ」と語った。
(Christina Fincher記者;翻訳 武藤邦子;編集 山川薫)
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